「指示と命令」ではなく「感謝とお願い」

by『運』(ドンキホーテ創業者)

現場の人たちの力を引き出し、より良い「集団運」を引き寄せる最大のキーワードが「感謝とお願い」だ。決して「指示と命令」ではない。

少なくとも私は、いつも現場の人たちを最大限にリスペクトし、心の底から感謝している。その上で「お願い」をすれば、彼ら彼女らは意気に感じて、いかようにも動いてくれるものである。

当社に求められるリーダー像とは、そうした善循環を自然に回せる者だ。

たとえば、メイト(アルバイト)さんたちに対して「ベストを尽くして頑張って欲しい」というのは、あくまでこちらの言い分だ。

それを封印して、「皆さんは本当に素晴らしい。これまでの仕事に敬意を払う。心から一緒にやっていきたい」と熱っぽく言われるのと、単に上から目線で、「頑張れよ、いい店を作れよ」と素気なく指示されるのとで、どちらが盛り上が るかは、考えるまでもないだろう。

前述したように当社は、年齢、性別、国籍はもとより、様々な生活背景とキャリア、主義・主張、価値観を持った、文字通り多様な人たちが集う、ダイバーシティのルツボのような組織だ。特に現場はその要素が色濃い。

そうした中、多くの人たちの気持ちが一つになり、皆が情熱をもって上昇の渦に巻き込 まれながら、目指す方向に突き進むことができるというのは、本来もの凄く価値とレベル の高いことであり、大いに誇るべきことだと思っている。

こうした状態は、「感謝とお願い」からしか生まれ得ないことだけはご理解いただけよう。

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